
久しぶりに、自宅近くの酒ディスカウンターをのぞいてみた。
日曜日とあって店内は混雑していたが、日本酒の陳列棚に目をやって驚いた。
新潟県のK酒造の純米大吟醸720ミリリットル詰め1本のプライスカードが、何と、1本29,800円になっている。
この酒は、入手困難な酒として有名だがケースに定価3,883円と書いてある。
一瞬、2,980円かと見間違えたが、間違い無く0が1個多く、29,800円となっていた。希望小売価格の7.67倍、驚くべきプレミアム価格だ、
180ミリリットル7,450円にもなるが、一体どうしてこんな価格が設定されるのか、どう考えても理解できない。
次に、入り口近くに高く積み上げられた1.8リットル瓶を見て、またまた驚いた。
3蔵が製造した1.8リットル詰め純米大吟醸酒の希望小売価格が2,980円と書いてあり、その下に、特別割引価格1,490円となっている。
何と、希望小売価格の半額である。
酒質をチェックすべく1本買ってみることにしたが、スペックは山田錦を100%使用した精米歩合50%の純米大吟醸だ。
このようなハイスペックの純米大吟醸が1.8リットル詰め1本1,490円で売られているとは、一体どうなっているのか不思議だ。
件の酒DSも1,49 0円以下で仕入れていることは明らか。
“山田錦100%使用の精米歩合50%純米大吟醸ってそんなに安く造れるの?”と疑ってしまう。
製造する酒蔵からは1000円以下で出荷されていることと思うが、恐らく、安い山田錦を原料米に使用して、酒粕が出ない液化仕込みで造った酒であろう。
案の定、自宅に持ち帰った1,49 0円の純米大吟醸を試飲してビックリ仰天!
ひどい老ね香、酒質は完全に変質している。
吐き気がするくらいひどく、とても飲めたしろものではない。
こんな酒を買った人は、おそらく二度と日本酒は飲まないであろう。
こんなものを純米大吟醸として、売りさばこうとする日本酒メーカに良心があるとは、とても思えない。
山形、和歌山、東京の3都道府県にある蔵から出荷されている1,490円の純米大吟醸酒、安かろう悪かろうでは、蔵のイメージをダウンさせるだけ。
そこまで、なりふりかまわぬ状況に追い込まれているのが、現状かもしれないが・・・・。
しかし、買ってはいけない!
1.8リットル詰め1本1,490円の純米大吟醸酒。
2003年3月9日
日本酒プロデューサー 中野 繁
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